
これを知らないと後で泣くことに・・・
変形性股関節症で人工股関節手術をした場合、入院生活を約1か月ほど送らなければなりません
人工股関節手術とは自分の股関節を人工の金属の股関節に交換する大変な手術です
正確な手術名は人工股関節全置換術といいます
ワタシ自身は両足の股関節を人工股関節に取り換えたサイボーグ人間(冗談)と家族や友人に笑って話しています
最近、ワタシの周りの家族や友人に人工股関節の手術をする人が多くなってきました
それだけ股関節の痛みで不自由な暮らしを我慢している高齢者がいるのでしょうね
そんな経験をしているワタシの体験談も含めてのお話となります
人工股関節手術が無事に成功する(今では医学の発達で99%の成功率)と3日ほどで殆どの方がリハビリ重視の入院生活になります
療法士さんに促され、初めは恐る恐る歩行器を使って自力でリハビリ室に向かいます
もちろん手術後の傷跡は10cm程もあって、そこが痛むのは仕方がありませんが手術前の股関節独自の痛みは薄れています
というか脚をついても股関節の痛みが殆ど無いのが手術が成功した!ということです
そこで術後の人はリハビリに励まないとならないのです
なぜかというと、人は1日寝付くと筋肉の衰えが回復するのに3倍かかる・・・といわれます
なので1日でも早く離床して回復をしないといけません
また手術前は痛む股関節をかばうために筋肉量の減少やおかしな歩き方の癖がついていますから、それらの改善のためにも早く離床してリハビリを頑張るのです
最初は辛くて・・・くじけそうになりますが、そこはプロの指導が入ります
リハビリ室には自分と同じく人工股関節になった方たちが沢山いて、それぞれのプログラムで頑張っています
【仲間がいる!】と思えば自然と力も勇気も湧いてきます
初めの1週間は恐がりながらのリハビリも2週目3週目になると歩き方も以前とは違い自信がついてます
そろそろ退院も近いですね~・・・と療法士さんに言われます
『わぁ 嬉しい・・・』と思うと同時に、ふと気になることが頭をかすめます
だって入院生活では便利なことだらけなんです
- ベットは自分の高さに調節されていてベット柵がついてます
- トイレは広くて便座も股関節に無理がかからない高さになってます
- 洗面所や廊下も危険がないように手すりがついています
さらに困ったことが起きたときにはナースコールで看護師さんが来てくれます
至れり尽くせりなのです
そう考えると退院は嬉しい(やっとシャバに戻れる~)のですが問題はその後に起きてくるのです
もちろんリハビリは完成に近いので退院できるのですが、何しろ以前のように動ける自信はまだイマイチです
しかも人工股関節手術後は人一倍、座るにしても立つにしても脚の動きや体の動きにも注意をしなければなりません
術後の人工股関節に筋肉がしっかり絡みついて外れる危険がなくなるのは最低でも6か月から1年はかかるそうです
特に3か月以内の転倒は転び方にもよりますが人工股関節が外れやすく、そうなると七転八倒の激痛!で救急車のお世話になる事態となります
ドクターや療法士さん、看護師さんから口を揃えて【転ばないようにしてくださいね!】脅かしではありませんから・・・と注意されます。
そうなると自分の家での生活をアレコレ思い浮かべて、あそこもここも・・・家の中は不安な箇所ばかりだ~
家に帰ってからの生活は大変なんじゃないだろうか~考えれば考えるほど眠れなくなります

準備するといいこと6選をお伝えします
何しろ初体験ですから~(何度も経験はしたくない)
【準備が必要だよ】という経験者のアドバイスがあれば良かったのですが・・・手回しの良い人は周りに介護関係に詳しい人がいて、そういう場合の忠告を聞いています
人工股関節手術を行う前にすでに脚の具合が悪いのですから介護保険を使うための準備をしなければなりません
高齢者なら尚更ですがそうでない人も準備が必要です
まずは何にもわからないのが普通なので自治体(自分の住んでる市町村)の介護福祉課に電話を入れましょう
何も役所だから~と遠慮することはありません
私たち介護保険料を国にお支払いしています
国民は40歳以上であれば毎月の給料から、高齢者なら年金から自動的に否応なしに徴収されていますから・・・
役所の担当課に電話を入れて【これこれこういうわけで身体が不自由なのですが・・・】と訴えますと、自分の住んでいる区域を担当している地域包括支援センターを紹介してくれます
それが介護保険を使うためのまず第一歩です
手回しの良い人はそういう手続きを手術に踏み切る前にしています
すでに手術前に介護保険の認定を受けて保険サービスを利用し始める人もいます
介護認定を受けて介護度が要支援1や要支援2がつけば福祉用具の利用をすることができます
そうしておけば入院・手術・退院後の生活に何の心配もありません
でも大抵の人はそういうわけにはいかないんですよね
だって・・・人生初体験だもの分からなくて当たり前です
でも、手回し良くなくて手遅れだった~と嘆かなくても大丈夫!なように世の中なっています(そう思いたい)
とりあえずは退院後でもいいので役所から教えてもらった地域包括支援センターへ連絡をとりますと、まもなく担当相談員がやってきます
必要なことを質問されたり答えたりして、次には介護認定を受けるための手続きをしてくれます
高齢者の方なら65歳になった時点で介護保険症(未使用なので無記入のもの)が役所から届いているはずです
いよいよその未記入の介護保険症が役に立つ時が来たわけです
地域包括支援センターの担当相談員が手続きを進めてくれますと、福祉用具がお試しとして貸出をしてくれる場合があります
これは困っている人には本当に助かります
- 歩くために必要な杖
- ベットから起き上がるときに便利なベット柵
- 室内や浴室にとても助かるべスポジという手すり
- トイレの座高調節できる補高便座
- 室内段差解消のスロープ
- 室内用、室外用の歩行器
以上のことが準備するといいこと6選です
他にも多種多様な身体を支えてくれる福祉用具が用意されています
一部には身体が直接触れることになるトイレ用具や入浴用具は自費で購入しなければならないものがありますが他はレンタル(介護保険1割負担)で利用できます
これらの福祉用具が利用できることがわかると本当に安堵しますね
介護認定を受けて介護度が決まるまではお試しで使っていて介護度が決まってから介護保険の適用の扱いをしてもらえることもあるそうです
ただしこのサービスは各々の自治体や事業所で対応がかなり違う場合や緊急性のある場合に限られることもあるので、一様にと言うわけにはいかないケースもありますので、担当の支援員によく聞いて相談する必要があります
それにしても手回し良い人はすでに介護保険を利用できているのに対して、手続きを知らなかった場合は後手後手になるのですから、なんとなく不公平・・・と感じます
ワタシの経験上知り得た事を、微力ながらこの【本音のお話】で伝えていければいいなぁ・・・と思っています
