
冬の日、夕暮れに小枝にかかる月を見る
先々週ぐらいから、おじじが日曜日の買い物がしんどいと言い出しました
買い物から帰ってきてから言うものだから、その日は荷物を家に入れる時に手伝うことしか出来ませんでした
先週は買い物代行してあげました
メモにこのパンはあそこの店、このヨーグルトはあそこで・・・と事細かくメーカー名までも指示されて行ってきました
『助かる助かる』と喜んでくれたのはいいのですが・・・
心不全になっていたなんて・・・
おじじがデイサービスからバスの送りで帰って来たわ~と思っていたらデイの担当者から電話が入って何だろう・・・?
ディ担当者『今日ですね お爺さん身体がコワいと言われたのでパルスオキシメーターで測定したところ数値がとても低くて驚きましたので・・・』
ワタシ 『はあ・・・数値が87!』
ディ担当者『そうです、それで静かにしていれば94から95まで上がるのですが心配になりまして、ご連絡した次第です』
ビックリしました
パルスオキシメーターとは指先で血中酸素濃度を計測して肺の健康状態を確かめるものですが・・・その数値はひどすぎる
それですぐに主治医に連絡をとって夕方でしたが受診したのです
胸のレントゲン撮影・心電図・血液検査・尿検査と様々な検査の結果で肺に水が溜まっていると診断されました
片側の肺ですが、しっかりと三分の一位が白くなっていました
それと心臓も肥大している・・・
主治医 『爺さん 心不全だわ いつもどんなもの食べているの?』
おじじ 『・・・』無言です
聞こえないのか、言いたくないのか?
ワタシ、思わず口を出しました
『キムチなんか大好きみたいです お惣菜の味噌ホルモンとかも・・・』
主治医 『ダメだわ~食事管理しないとね~これからは味のついてないもの食べて!このままだと心臓もたないよ』
おじじ 『・・・』 黙秘権です
帰りの車の中でおじじがボソッと
『キムチは禁止されておったんだ・・・言ってしまいやがって・・・』と文句を言うのですよ
唖然としてしまいました
医者に禁止されているのわかってて食べていたんだ~ずうっと前からね~
ドクターストップ 美味しい食事は厳禁!
味なしの食事なんて未だ作ったことがありません
その日、病院から帰って来て早速、おじじの冷蔵庫の食品は没収させてもらいました
出て来るわ、出て来るわ
辛口キムチに辛口レトルトカレー、みそ味ホルモンもしょっぱいんです
まあまあ、医者に逆らってこんなに味の濃いもの好きなんだから病気になってもしょうがない・・・
夕食はワタシの手作りで、味のない卵焼き、味のない冷や奴、味のない煮物を食べてもらいました
味のない料理ってダシをベースにすると割と美味しいといいますから今後は研究しないとな・・・
調味料で酢なんかも使えるのかも・・・
でもね 今までの食事に舌が慣れているんだから徐々に不満が出てくるだろうな・・・と思います
文句言うだろうな・・・私も憂鬱なのですよ
心不全が発覚する前は好みの食べ物で、おばばを亡くした悲しみを晴らしていたのでしょうか
人は辛いことや悲しいことがある時は、食べ物でそれらを一時的にでも忘れることができるといいますから・・・
そういうおじじの気持ちに早く気づいてフォローしなければならなかったのだ・・・同じ屋根の下に居ながら・・・
