
春三月といえども、まだ雪深い美瑛の丘
おじじが身体がしんどいと言って受診した次の日についに入院になってしまいました
病名は心不全です
点滴注射で肺に溜まった水を抜くそうです
それと持病の糖尿病も悪くなっているようです
今までは階下におじじが居ると思えば安心していたんですね
居なくなってポッカリと穴が開いたみたいで心細いのです
おじじ~お医者の言うことをよく聞いて勝手なことしないで早く治して帰って来てください
心不全で入院するということは・・・
あいにくのコロナ禍です
おじじの入院した病院も街のクリニックとはいえ面会制限です
入院の荷物を抱えてクリニックの玄関で病棟の看護師さんを待っていました
二階から恰幅の良い看護師さんが降りてきたと思ったら『ハイ、ご家族さんはここまでです』
おじじは看護師さんに荷物と一緒に抱えられるようにエレベーターに消えました
なんだかあっけないじゃないの~
あっという間に行っちゃったわ~
夕方、仕事から帰った夫に入院の顛末を説明
夫は少し不満そう『なんで大きな病院にしなかったの』 とか言います
私もムッとして、なら自分でおじじに付き添ったら良かったのに・・・
こういうちょっとした食い違いが夫婦の断絶を生むんだわ・・・と思いました
入院したおじじとは携帯電話で話ができます
4人部屋でおじじと他の人の二人だけということで割と気楽なようです
一昨日の電話では話をしていても息切れして辛そうでした
『テーブルの上のね 軟膏持ってきてほしいの 背中がさ 痒くてたまらん』
途切れ途切れに話します
すぐにクリニックに軟膏を届けに行って受付で病棟の看護師さんを呼んでもらいました
婦長さんが降りてきてくれました
『あの~なんか話するのが苦しそうでしたが酸素しているんでしょうか?』
婦長さんは『いいえ~普通に過ごされていますよ、マスクしているからでしょうかね』
そっか・・・マスクして喋ってたんだ・・・
『あの~ヨーグルトとかミニトマト食べたがってませんか?』
婦長さん、私をチラッと見て
『食事制限しています 心臓病食で一日1200カロリーですから』
当たり前でしょ 差し入れなんてとんでもないよ・・・と言いたげです
だと思いましたがね 言ってみたかったのです
やれやれ 可哀そうなおじじです 好きな物食べられないね
やはり入院して良かった・・・
それで今日、夫の仕事帰りに合流して主治医の病状説明を聞きました
今まで私の説明だけでは不満そうだったからね 同席で良かった・・・
『肺の方は曇りがとれてきているので後もう少しですね~ いつまでも点滴注射を続けられないので、次は薬で治療することになります』
『糖尿の数値ですがここ毎年1月から2月にかけて上がるのですが、心当たりありますか』
『МRIも撮ってみましたが、割と腎臓がダメージないので良かったです』
矢継ぎ早にパソコンの画像を開きながらの説明です
私も夫も分かるようなわからないような返事をしながら聞きました
結論としては、来週の今日ぐらいに退院できそうです
ああ~良かった~うちでは手に負えないから大きな病院を紹介しますと言われたらどうしようかと思いました
おじじに洗濯物をもらって代わりに着替えを渡しました
エレベーターの前でおじじが
『だいぶ良くなった~ベッドの上で腹筋しているんだ~』
それを聞いた夫は
『先生、そんなことやっていいって言ったか!』
怒鳴りましたがエレベーターに乗ったおじじは聞こえないふりをしてボタンを押したみたい
おじじの横顔はドアの向こうに無言で消えていきました