北国ぐらし~節分は豆まきで鬼退治しなくちゃ

北国ぐらし備忘録

鬼は外!福は~内~ 

今だに懐かしいあの節分の豆まき行事を一家総出でしているお宅はどのくらいあるのでしょうね

私の節分の思い出と言えば一家の大黒柱である父がお神酒を一杯ひっかけた勢いで子供たちを呼びます

『おーい 鬼退治をするよ~みんなおいで~』

我家は6人兄弟、兄たちがぞろぞろと部屋から出てきて各自の配置につきます

豆を拾うに良い位置を陣取るのです

私と弟は母の傍にひっつきます

鬼が怖いのです~それと父の大声も。

母は玄関の引き戸を開けて用意します

またどうしてか記憶の中では節分の夜は空気が澄み渡るように晴れているのです

家の玄関前は雪野原で空には寒月が出ていてシーンとした静かな暖かさ、それはきっと家族そろっての楽しい行事だったからそう感じたのでしょうか

父の大声で『鬼は外っ!鬼は外っ!鬼は外っ!』

薪ストーブの上で母が早くから煎っていた大豆が父の大声と共にバラバラと玄関に向けて撒かれます

大豆は父の手を離れて玄関の外まで飛び散っていきます

『鬼は外っ!鬼は外っ!鬼は外っ!』

何度か繰り返すと『早く戸をしめて!』との父の合図で兄たちが急いで引き戸を閉めながら子供たち全員で声を揃えて『鬼は外っ!鬼は外っ!鬼は外っ!』

私たち小さいものは本当に鬼が家に入ってきたらどうしようと恐れおののいていました

次は優しい声で父は部屋の隅々に『福は~内~、福は~内~、福は~内~、』

猫なで声を出して豆をまくのです

そうすると子供たちの出番です

我先に押し合いへし合いで豆拾いの競争が始まります

誰が一番多く豆を拾うか拾った豆の数でその年の優勝者を決めるのです

たいてい一番多く拾うのは年長の兄たちでしたが、勝った順番からお菓子の入った袋がもらえます

私や末っ子の弟はいつもビリッケツでしたが父も母も分かっていて応分のおやつをもらえました

拾った豆は年の数だけ食べるんだよ、そうすれば風邪をひいたりせずに元気に過ごせるんだよと教えられてカリコリと固いお豆を一生懸命に食べたものです

最近のお宅ではどうなのでしょうね

豆まきの風習は残っているのでしょうか

おじじの話によると通っているデイサービスでは行事のひとつで行われているようです

職員さんが赤鬼、青鬼に扮して大暴れをするのを利用者さんたちが新聞紙を丸めたボールを豆に見立ててぶつけて大騒ぎの楽しい行事になるのだとか。

でも今年はコロナ禍のおかげでホールに大勢で集まって楽しく過ごすことは中止になるそうです

きっとお菓子の袋でも頂いて帰ってくることになるのでしょうね

今年の節分は明日の2月2日、昨年より1日早いそうですよ

日本の残しておきたい行事のひとつですね

節分とは季節を分けるという意味です

【節分過ぎれば日が昇る~】とは何処かで聞いたような文句です

その昔は節分が過ぎて立春になるとお正月が来たと新年のお祝いをしたのだそうです

旧暦では新年は節分の翌日ということになります

ということは、節分の日が大晦日ということになって、新年を迎えるにあたっての厄払いの意味で豆まきの行事がされていたのですね

大晦日に豆を撒いてその年の鬼を追い払い、主に西日本地方の風習ですがイワシの頭を焼いて柊の枝に刺して玄関先に飾るそうです

【柊鰯】(ひいらぎいわし)といいますが北国ではあまり見かけません

ただ母がお皿に煮干しを乗せて玄関先に置いていたのを覚えています

あれはそちらの地方の方がご近所に居て柊鰯の話を聞き真似していたのかなぁと思います(煮干しも鰯の仲間ですから~)

節分に恵方巻を食べる習慣はいつから?

今年の恵方は【南南東】になります

恵方巻を食べるのは厄払いの意味だけでなくて商売繁盛の意味もあるらしいです

その恵方巻ですが七種類の具を入れて巻いた太巻きを【南南東】の方角を向いて一本まま一言も話をせずに食べ尽くさなければならないそうです

そうでなければ厄払いできないとテレビで誰かが言ってました・・・(ホント?)

節分の恵方巻の習慣ですが私の記憶ではつい最近まで無かったですね

平成になってからの習慣でしょうか

どなたかはっきり覚えている方いらっしゃいますか

十年ほど前、実家が不幸続きで母が落ち込んでいた年に作って持っていき食べ方はこうだよ、今年の方角はこっちだからといって一緒に食べたことがあります

太巻きを一本まま食べるのは結構な力が必要で、挫折しそうになりながらも食べきりました

夫に恵方巻食べる?と聞いたら『あれはお店側の作戦だ~』と言われました

そうかもしれませんが、皆さんやっていることをしないというのは何か厄がこっちに回ってきそうで気になります

この心理状態をうまく利用されているのでしょうか・・・

でも私はのり巻き大好きなので今年は自分で作ってみようと思います

のり巻きの具はまず卵焼き・しいたけ・かんぴょう・きゅうり・ほうれん草・そぼろ・紅ショウガ・・・これで7品目入りました!

子供たちも家から離れて家庭をもち、今年のコロナ禍でさっぱりご無沙汰してくれてます

孫ちゃんたちとも逢えない寂しい高齢者ですもの、せめて恵方巻でもいただいて厄払いしなくちゃと思います

なんだかテレビで言ってましたが、一本3000円ぐらいもする恵方巻が中央の方では飛ぶような売れ行きなんだそうです

コロナ禍で外食もできないのでせめて恵方巻で贅沢して鬱憤を晴らすそうですが・・・

私は自分で作った自分好みのお味で恵方巻を楽しみましょう